モラハラだと楽しいはずの外食が憂鬱
モラ夫は外食が好きです。
週末になると、家族みんなでお出かけをして、昼食はお店でというパターンが多かった。
モラ夫もわたしも食べることが好きなので、何かで耳にした話題のおいしいお店へ行こうということもあり、そういう時はいいんです。
まだ交際中でモラハラっ気をみじんも見せていないころは、モラ夫とはよくお店を調べて食事に出かけて楽しんでたし。
でも、時は流れて、今やモラハラ地獄におちいり経済的DVを受けている身。
モラ夫の外食しようという提案に対して頭を使います。
モラ夫の提案のお店で外食=モラ夫がお金を出す
これで当然と思っていいかな?
と、モラ夫があとで食事代のことでモラモラしてこないかビクビクするわけです。
いちばん憂鬱なのは、どこに行きたいかとか、何が食べたいかとかわたしに聞いてくることです。
これはわたしの意見を尊重するための質問ではなく、自分にアイデアがないからという理由にすぎず、モラ夫の気に入らない回答をすれば即モラれます。
結婚してまもなくのカレー屋事件
まだモラハラ男と気づかなかったころ、わたしも積極的に食べに行きたいお店を提案してました。
ある時街を歩いていて、どこでごはん食べようかという時に、通りすがりにオシャレなカレー屋さんがあったのでそこがいいと私が言いました。
モラ夫は大賛成というわけでもなかったけど、お店の雰囲気もいいので入ってみようということになりました。
決してわたしが強引に決めたわけではなく、モラ夫も一応いいねとは言ったんですよ。
そこはカレー専門なのにフランス料理風のお店で、オシャレなメニューにオシャレなネーミングのカレーがわりと強気な値段で書いてありました。
そして、運ばれてきたカレーはやはりオシャレな盛りつけで、味は絶賛というほどではないけどふつうにおいしい。
「おいしいね。」
ってパクパク食べるわたしと半比例して、モラ夫はしゃべらなくなり食べる手を止めてスプーンを置いて静止しています。
表情は険しめの無表情になっていて、気分でも悪いのかな? と心配しながらもわたしは食べ続けます。
「食べないの?」
と聞くと、モラ夫は一言。
「まずい。」
……。
いや、まずくはないでしょ。
たしかに、カレーといったらインド風のカレー店で皿からワイルドにはみ出たナンとともにスパイシーなさらさらカリーがおいしいのかもしれない。
でも、上品な欧風カレーもおいしかったし。具も値段なりに豪華で。
そりゃ、カレーにしては高いかもしれない。(覚えてないけど1500円ぐらい?)でも驚くほどじゃない。
こうやってネタとして書いているときは自分の本音を自分のことばでズバズバ言えるんだけど、
なにしろ早い段階でそういう発言をけん制されモラハラ攻撃くらってきたので、モラ夫本人には言えない。
モラ夫はとても反論できないほどの重苦しい空気をただよわせ、顔の印影が浮き立つほど険しい表情で固まっていて無言。
結局、わたしが食べ終わり、食後の会話がはずむわけでもないので、モラ夫のカレーはひと口ふた口しか食べずに残したままお店を出ました。
「ごめんね、わたしがあの店に入ろうって言ったから悪かったね。」
「カレーにしては高すぎたよね。」
「たしかにカレーとしてはあんまりおいしくなかったかもね。」
いっしょうけんめいモラ夫の機嫌がなおるように言葉をかけるけど、お店を出たあと振り返りもせず速足で歩いてい行きます。
その後、1週間無視が続き、わたしはモラ夫の転勤でついてきたばかりの見知らぬ土地で泣いて暮らしました。
妊娠中の焼きそば屋事件
まだモラ夫の習性を把握してなかった、はじめての妊娠中。
お腹が大きくなってきてたけど、転勤によって引っ越してきたこの町のお店を楽しみたいし、子どもがうまれたら外食もむずかしいだろうからと週末になると食事に出かけていました。
ある日、友だちから聞いたおいしい焼きそば屋さんが近くにあったのでモラ夫に教えると、行ってみようかということになりました。
その焼きそば屋さんは、たたずまいはふつうのお店だけど、焼きそばにしてはちょっと高めだったかもしれません。
でも、麺の感じとかが独特で、人がすすめるのもうなずけるかなという美味しさでした。
モラ夫は、美味しいけど変わってるねという感想でした。
ただ、あとにして思えば、モラ夫のイメージしたお祭りや海で食べるジャンクな焼きそばの味とちがったのが気に入らなかったかもしれません。
この時は食べずに残すということはしなかったけど、途中で急にしゃべらなくなりました。
顔はおなじみの険しい無表情。
機嫌が悪くなったことを察知したわたしは、いっしょうけんめい原因を考えます。
どのあたりから口数が減ったのか?
NGワードがあったのか?
それとも焼きそばが口に合わないとか高いとか不満があるのか?
「どうかしたの?」
と声をかけても全くもって無視。
お店を出ると、またしても速足で振り返りもせず歩いていきます。
この後どこへ行くのかも話してなかったので、置いていかれたらはぐれてしまいます。
お腹も大きかったわたしは体がきつかったけど、モラ夫に置いていかれないように小走りで追いかけました。
その夜、郷里の友だちにモラ夫にこんなことされてつらかったと泣きながらメールしたのを覚えています。
「妊娠中の奥さんにひどいね! 妊娠中にひどいことされたことは一生残るよ。」
友だちはそんなふうに怒ってなぐさめてくれました。
この時のモラ夫の無視は2~3日で終わったと思います。
妊娠中だったのでサービスなのか短めでした。
でも、不機嫌・無視の原因は聞けなかったし、推理するしかありません。
もしかすると、食事中に話してた数学の話題にわたしがアホな返しをしたのが受け入れられなかったのかもしれないと思いました。
だって、おいしいごはん食べてるときに大キライな数学の話なんてめんどくさかったんだもん…。
モラ夫との外食は気を使うだけで楽しくない
結婚してから10年ぐらいはモラハラというものを知りませんでした。
だから、夫はふつうの人と怒るポイントがちがって、しかも怒るポイントの数は多くて、そのうえ不機嫌とか無視とか感情表現が陰湿なだけの人と思ってました。
モラハラというものを知ってから、外食でもなんでも、それらしい理由をつけて妻に文句をいうことで気持ちよくなる性格なのだと理解しました。
モラハラのパターンが分かってくると、できるだけモラれないように気をつけることに注力するようになります。
どこに行きたいか何を食べたいかと聞かれても、決して自分の意見は言いません。
希望を聞いていると額面通りに受け取ってはなりません。
メニューを選ぶときも、ぜったいモラ夫より先には決めません。
思うままに食べたいものを選んだら、高いと言われてモラれるおそれがあるからです。
どうしてもわたしが先に決めないといけない流れになったときは、一番安いものか、お店の定番のものか、子どもといっしょに食べられるものにします。
なにしろ、自分本位に選んだという色が出ないようなものを選ぶのが重要です。
モラ夫が機嫌がいい時や、モラ夫自身が食べたい気分でワクワクしている時は、わたしにメニューの中で贅沢なものをすすめてきたりします。
よほどの時はそのサジェストに乗りますが、通常はそれでも安いものにすると主張しておきます。あとで火種になったら怖いからです。
モラハラ一家には、外食代の支払い問題もあります。
モラ夫が自分から出かけて外食しようというからにはモラ夫が外食代を払うという流れになっていたので、わたしの食費が減らずに助かると思うフシもあったんだけど、ある時モラ夫が爆発しました。
「外食だと自分がお金出さなくてラッキーとか思ってない?」
と、モラモラしながら吠えてきました。
「いや思ってるけど、あなたが誘ってるんじゃん。」
とはもちろん言えず、わたしはいつでも、家で食べるつもりで買物してると答えておきます。
のちにモラ夫が暴力をともなう大爆発をして、ありとあらゆる文句を浴びせられた中に、
外食のお金を出させて当然と思ってるのが許せんというワンフレーズがあったので、
その事件の後、レジでわたしの分は自分でお金を出そうとしたことがありました。
すると、モラ夫はやさしくこう言いました。
「そんなことは二度としないで。」
DV事件に対して、わたしが真剣にモラ夫に恐怖を訴えて「家を出る」と言った後だったので、わたしを腫れ物のように扱っている時期だったからです。
でもモラ夫の改心しましたポーズは長続きしません。
半年もすれば腫れ物扱いは元どおり。
外食すれば、会計のレジでなんとも気まずい空気が流れるんです。
財布出そうともしなくていいのか、ごちそうさま~ってスルーしていいのか、ほんと神経使う。
だから、モラ夫との外食はめちゃくちゃ憂鬱なんです。
レジで当たり前に奥さんが支払いしている、妻が財布をにぎってるであろう他のファミリーがこの上なくまぶしく見えました。
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