お金に執着の強いモラ夫に洗脳されデイトレーダーになる

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結婚してすぐに株取引の仕事をさせられる

モラ夫に洗脳され、調教されたことのひとつに株式取引があります。

結婚してすぐのころ、まだ20代でものごとをよく知らなかったわたしは、モラ夫が株式取引をしていることを聞いてもピンとこず、資産運用として貯金のようなものだと思いました。

結婚したとき、モラ夫の両親から「必要なものに使って」といただいた100万円を、モラ夫は銀行ではなく証券会社の口座に入金しました。

証券会社の口座に入金すると、とくに株式売買をしていなくても自動的にMRFという投資信託で運用され、銀行の金利の利息より高いので預金が増えるというのです。

わたしは
「ふ~ん、そうなんだ。」
と感心したものです。

まもなく、モラ夫は
「現金は寝かせておくだけではいけない、
銀行ではインフレに対応できないんだ」
と力説し、株を購入するべきだと言い出しました。

モラ夫は独身のころから株式投資をしていてくわしいということで、わたしはただただ解説を聞いて理解を深める努力をしました。

そして、あるとき、ある銘柄の株式を購入するよう命じられます。

仕事中で自分はできないからと、証券会社に電話をして注文するよう言いつけられました。

そのころはまだネットトレードが始まっていなくて、電話で注文するのが一般的でした。

「いいか、○○を100株注文だ。
成行がいいか指値にするか自分で調べて電話して。」

成行(なりゆき)? 指値(さしね)?

株式用語が全くわからないわたしは、置いてあった分厚い四季報を見て調べます。

このころはやっとADSLネット回線が出てきたころで、Googleもありませんでした。

どうにか理解したつもりで証券会社に電話をかけ、注文を出すと、

「源泉徴収ありにしますか?なしにしますか?」
と、さらに分からない質問をされ、確認して再度かけなおしたりと必死でした。

なんだかよく分からないけど、新婚ハイで、夫と共同作業をしていっしょにお金を管理していくことに満足し、株式投資という大人っぽい響きにいい気分になり、まだ苦痛とは思っていませんでした。

ネット株取引スタートしだんだん苦痛になっていく

子どもが産まれたころ、個人でもネットで株取引ができるようになりました。

そうなると状況が変わりました。

これまでのように、本で四季報を読んで、長期スパンで見通しを立ててどの株を買うか決めていたのとスピードがちがうんです。

手探りで株価を予想して、証券会社に電話をかけて注文する必要もなく、リアルタイムで株価を確認しながらクリックひとつで即買い付けできるわけです。

株の取引時間は9時から15時まで。

モラ夫は昼休みにケイタイ(当時ガラケー)で株取引することはできても、就業時間にはできません。

そのため、ヒマな専業主婦であるわたしがしなさいということになりました。

ネットトレードの操作方法はもちろん、株取引の勉強もかなりしました。

前場(ぜんば)、後場(ごば)、追証(おいしょう)、仕手株(してかぶ)、成行注文(なりゆきちゅうもん)、
こんな読み方もスイスイできるように。

株式のチャートの見方も研究し、モラ夫が投げかける質問にも答えられるよう勉強しました。

ボックス相場だとか三尊天井だとか二番底だとか独特の株式用語も覚え、それらをスラスラ使って会話ができるようになりました。

「3日連続陰線で、今日はローソク下ひげも長かったけどどう思う?」

「移動平均線を見るとデッドクロスからまだ下向きなので買いはまだかと。」

こういう会話をする日常ですが、意味わかりますかね?

ネットトレードではデイトレード(一日に何回も売り買いを繰り返すこと)ができるので、それを望むモラ夫に言われるがままだとずっとパソコンに張り付いてないといけないんです。

当時は上の子が幼稚園、下の子は赤ちゃん。

幼稚園バスが8時半ごろ迎えに来るので外にいないといけないけど、株取引開始前の気配(本日いくらで値がつきそうか注文具合が表示される)を確認しないといけないので、ママ友とのおしゃべりもできないまま退散する日が増えました。

バスに乗せたあとママ友と立ち話をするひと時は、貴重な情報交換の場だったり、気晴らしの時間だったりする大切な時間です。

その貴重な時間は、モラ夫からの仕事指令によってうばわれてしまいました。

デイトレード

ママ友としゃべれない、下の子を散歩に連れて行けない日々

デイトレードでもうかる日もあれば損する日もあり、全然気が休まりません。

一度買い注文を出すと、9~15時の間に株価が上がったり下がったりします。

スマホはまだなく、リアルタイムでの株価チャートはパソコンでしか見れなかった時代ですから買物にも出れません。

赤ちゃんだった下の子のお世話も満足にできず、だんだん放置気味になりました。

15時に取引が終了するとホッと緊張がとけ、自由に動けるようになります。

ほどなく上の子が幼稚園バスで帰ってくるとそのまま夕方まで公園で遊び、帰りにスーパーに行くのでそこからの家事育児が大忙し。

もうかる時は1日で5万円とかいう日もあって、そんなときはモラ夫も機嫌がよかった。

基本的にモラ夫が株の銘柄と買値・売値を決めてわたしに操作させます。

それでも細かいことでわたしの自己判断が必要な場面も多いので、損失が出ると不機嫌なのはわたしのせいでもあるかも…と次第にビクビクおびえるようになりました。

株取引はむずかしくて、下がる時はドーンと下がるので、損する日も当然多かったのです。

うまくいかない時は、どうして反対方向にばかり株価が動くんだろうというほど買っては値下がりばかり。

そんなある時、買いと売りをまちがえてしまいました。慣れると気がゆるんでそういう凡ミスが出るんです。

そしてそういう時に限って、当初の予想通りに株価が動き、注文して5分で6万円もマイナスになってしまいました。

わたしはあわててモラ夫に電話をして、まちがえて逆の注文をして損失が出ていると報告すると、激怒して今すぐ決済するよう言われ、大損失…。

その日はこっぴどく怒られ、そこでわたしも目が覚めました。

家事も育児もママ友つきあいもおろそかになってしまっている現状と、精神的にもまいっていることを訴えました。

「ママ友とのおしゃべりなど価値がないからどうでもいい」
とあしらわれたけど、子どものお世話がおろそかになっているのはよくないと思ったのでしょう。

このときはまだモラハラもひどくなかったこともあり、モラ夫はデイトレードはしなくていいと言ってくれ、毎日の多忙な仕事から解放されました。

モラハラ人間はターゲットを自分の手足のように使う

モラハラを知り、そのカラクリを学んでみるとわかったけど、モラ夫は妻との境界線がないものと思い自分の思うままに動くべきという思考なんですよね。

モラ夫と結婚し、専業主婦として夫をサポートする気マンマンの新婚ハイのわたしは、そのことに気づかなかった。

信頼されている!
ワンチームとして共同作業している!
これが結婚するってことなのね、家族になるってことなのね!

盲目的にそんな考えでした。

さらに、結婚相手は尊敬できる人であるべきと考えていたわたしは、当然のように
「わたしの知らないことを教えてもらっている。知識を与えてくれる。視野を広げてくれる。」
ぐらいに思っていました。

そうやってモラ夫にマインドコントロールされていくとは知らずに。

知らず知らずのうちにいろんなことをモラ夫に支配され洗脳されていったわたしですが、この株取引もそのことのひとつだったんだと思います。

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