家の査定と退職金の開示について
離婚に向けて、分ける財産をお互いに出すという段階になり。
↑ この記事の続きだよ!
口座預貯金のほか、保険や車も資産と見なされるんだけど、
保険は解約返戻金のないものだったし、車も10年越えだから査定はわずか数万円。
このままでは、夫婦の財産を合算して分け渡すのはわたしのほうじゃないの!
でも、ほんとうに不幸中の幸い、うちは何年か前に家を買っていて、
ローンはたくさん残っていたけど、家の査定額がローンを上回っていた。
家の査定をモラ夫もわたしもそれぞれちがう不動産会社に見積もってもらってて、
その査定額に1千万近い乖離があったという事件がおこったけども。
いちいち引っかかってすんなり進まないのがモラ夫との協議の特徴だね。
モラ夫のほうは、査定が安いからオーバーローン(評価額がローン残高を下回る)で資産にならないと主張。
いっぽう、わたしが弁護士事務所紹介の大手不動産会社に査定を出したら、
チラシで見かける近所の中古住宅と同じくらいの査定額になり、売却益が出るとの評価。
モラ夫が持ってきた査定額は不自然に安すぎるということを弁護士さんに指摘してもらって却下した。
もう一つ幸いだったのは、
モラ夫は50代で、その年齢だと離婚の財産分与に退職金を加えるのが認められるとのこと。
これは、モラハラの罠に落ちてもがいているうちに逃げ遅れ、
離婚成立するころすでに初老になってしまった人へのせめてものごほうび!
この退職金請求については、モラ夫の弁護士からいろいろと前置きが長い回答がきた。
「財産分与に退職金を含めるという事例はあるにはあるけど絶対ではないからして~
昨今の経済情勢からみると退職金は減る傾向にあり増えることは考えられず~
退職まで勤め上げるという確証もないから現時点で計算しても意味がないと思うが~
~~ウンタラ、ウンタラ、ウンタラ~~
それでも一応出すと、今のところこれだけの見込みです。」
長っ!
・・・こんなに句点がつかずに読点で長くつなぐ文章があるんだね、
と感心するくらい前置きが長かった。
金額だけスッと言えや!
弁護士さんの追求に窮し、前代未聞の提案をしてきたモラ夫
せこい財産目録を開示してきたモラ夫は、同じ文書の中で、
妻は多感な年ごろの子どもを勝手に連れて家を出て、
子どもも自分も深く傷ついたと、しつこく激しくわたしを非難していた。
家を出てしばらくの、
「自分が悪かったから帰ってきてほしい」
と言ってた姿勢はもうみじんもなかった。
しかも、上の子の受験の失敗も私の行動や学習指導のまずさのせいと責め、
下の子まで成績が悪くなったら頭の悪いオマエのせいだとにおわすようなことも書いてあった。
さらに、離婚したあと払う養育費は20歳までとなっていた。
・・・20歳ってまだ大学生だけど?
こういう文書を平気で書いてくる代理人弁護士もいるんだなと失望したし、
わたしの弁護士さんもこれはだまっておけないと意気ごんだ。
そして、弁護士さんは、
財産分与は家と退職金を当然ふくめて分けることと、
離婚後の養育費は、両親の最終学歴と同じく大学進学をみすえて卒業までとし、
学校の授業料などは養育費と別に払うようにと求め、
さらに次のようなことを突きつけた。
収入のほとんどを手にしていたのに貯金が少ないのは浪費してたのではないか。
こちらはモラ夫がどんなことにお金を使いがちだったか分かっているけど、
そちらから使途明細を開示してもらって、内容によっては浪費とみなす。
わたしが長年にわたり受けてきたDVの詳細、
それは経済的DV、身体的DV、精神的DV、性的DVと多岐にわたること。
それぞれのDVについての代表的な事件や時系列のエスカレートした経緯。
わたしはそれを15年も耐えてきたこと。前ぶれもなく家を出たわけではないこと。
これらの苦痛に対して調停を起こして慰謝料を請求したいぐらい。
調停で第三者にモラ夫の卑劣な行為を明らかにして争うのは避けたいけど、
どうしても応じないのならいたしかたないということ。
モラ夫がやとった弁護士に、自分が妻になにをしたかなんて詳細に話してないと思うから、
DVの詳細をモラ夫の弁護士が知った以上、もはやモラ夫に勝ち目はないと思ったのかもしれない。
なお、このときのDVの詳細の中で、はじめてモラ夫に「モラルハラスメント」という言葉を突きつけた。
モラ夫がモラハラというものを知っていたのか、また、自分がやっていたことをモラハラと自覚してたのかは知らないけど。
このとき、モラ夫がやってきたことはモラルハラスメントだよと、本人とまわりに伝わったのはまちがいない。
数日後、モラ夫の弁護士から返事がきた。
離婚することに異存はありません。
提示額の財産分与で受け入れます。
養育費も教育費も最終学歴卒業まで払います。
ただ、親権をあきらめきれないので子どもが成人したら離婚します。
え。
モラ夫のイレギュラーすぎる提案について作戦会議
婚約ってあるけど、離婚約なんて聞いたことない……。
弁護士さんも、はじめてのケースですね。と困惑。
わたしのメリットとしては、
養育費より多い婚姻費用がもらえる期間が増えることと、
年金分割は離婚するときまでの計算で行うので、老後にもらえる年金が増えること。
デメリットももちろんある。
先のばしにして、本当に離婚してくれるのか?
財産分与をするというけど、ホント? 絵にかいたもちではないのか?
離婚しないままわたしかモラ夫が途中で亡くなったらどうなるの?
どっちかが亡くなってしまったらって件は、
婚姻中だから、モラ夫が死んで生命保険と遺産は妻と子どものものになるから同じと説明され、
ちゃんと約束を守ってくれるかどうかは、公正証書を作成するから心配ないし
最悪でも公正証書をもとに裁判すれば勝てると。
あとは、わたしがどうしても早く離婚したいかどうかとのこと。
……。
ここまで別居から2年半経過する間に、
顔さえ見なくてよくなったモラ夫と、離婚が先になってもあんまり変わらないかと思えていた。
独身になるころは50代。40代より再婚できるチャンスも減るだろうけど、
もう男なんてこりごりのわたしは再婚願望ゼロ。関係ない。
逆にいえば、モラ夫だって再婚できないわけだから、
父親が再婚したとかましてや異母きょうだいができたとか、子どもを複雑な状況にさせてしまう心配もない。
再婚なんかを理由に養育費を減らしてほしいと言い出す心配もない。
いろいろと弁護士さんと話し合った結果、
わたしはモラ夫の前代未聞の合意案を受け入れることに決めた。
終了報告を受け、弁護士さんともお別れ
しばらくして双方の弁護士さんが公証役場で公正証書を作成したものがわたしに届いた。
モラハウス脱出から2年半後、ついに決着のときをむかえた。
これをもって弁護士さんとの契約は終わり。
終了報告というものを受けて、これまでの長い長いつきあいに感謝を述べてお別れとなった。
これがモラハラから逃げ出して離婚(の約束)を勝ち取るまでです。
なんとなくモヤモヤも残るけど、
その後の生活は肩や背中や頭にまで重くのしかかっていたモノがなくなったように軽やか。
モラハラするモラ夫もいないし、
終わらない話し合いのための弁護士さんとの電話やメールもないし、
子どもと仕事と家事のことだけやってればいい毎日って本当にラクです!
苦しんでいるあなたにも取りもどしてほしい。かつてあったはずのモラレスライフを。
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