仕事をつくって妻に負荷をかけるモラ夫
モラ夫は、妻はいつも仕事に追われていないと気がすまないらしい。
のんびり横になったり、ゆっくりテレビを見ているなどもってのほか。
そんな姿を見ると、妻がとんでもなくなまけてラクしているのに
自分だけが損をしていると思いこんで、腹が立ってくる性格なのです。
モラ夫と最後に暮らした家は戸建てでした。
それまでは転勤族で社宅を転々としていたので、
その時代その時代のインターネットの回線・プロバイダを乗り換えていました。
ダイヤルアップからADSL、光といろいろ使いましたが、
最終的にはADSL回線を宅内無線LANで使うという方法に落ち着き、
月2000円ぐらいでなんの不満もなく使っていました。
その頃のプロバイダは2年契約が主流で、契約更新月以外は解約金が発生します。
わたしはこのへんの節約にはとても力を入れていたので、
比較サイトで研究して常に最安で最適のものを使っていたんです。
ある日突然、モラ夫が家のインターネット回線はどうなっているのか聞いてきました。
その時使っていたのはニフティのADSL回線で、IP電話がついているプランでした。
当時、IP電話が勝手に外国経由でつながるように改ざんされてしまい、
後日高額の請求書が届くという詐欺が流行っていました(モラ夫によると)。
「IP電話がついているのか?
今あぶないって問題になってるからすぐ止めろ。」
うちのネットプランの詳細を確認したモラ夫はそうわたしに命令しました。
そうはいっても、まだ契約期間がたくさん残っているので、違約金が1万5千円もかかります。
わたしはそのことを説明し、
「IP電話はサービスとしてはついてるけど、ほとんど使ってないから問題ないんじゃないか」
とモラ夫に言いました。
でも、モラ夫は引きません。怖い顔をしてわたしをおどしてきます。
「電話を使わなくても勝手に海外の通話料が請求されることも考えられるだろう?
もし100万円とか請求がきたらどうするんだ!?」
わたしはそんなバカな話ってないだろうと困惑して、
「いや、そんなことはないでしょう。
仮に請求されたとしても、払う必要はないから突っぱねればいいし。」
と軽く返答しました。
すると、モラ夫の怒りがますます大きくなり、
「じゃあオマエは100万円請求されても大丈夫だって言うんだな?
オレはぜったい払ってあげないぞ!
オレは危険があるということを忠告したんだから、聞かなかったオマエが払えよ!」
と、もはや話が飛躍しすぎて「もしも」の話だという空気ではありません。
いつのまにか、「なにもしないと100万円の架空請求がくる」ということになっています。
そしてそれをわたしが払わなければいけないことになっています。
漫才のような話ですが、これは本当にあったモラな話です。
降ってわいた仕事に奔走するわたし
わたしは、この場はわたしが折れないとおさまらないと悟り、
また、モラ夫が怒ったことやこれから数日続くであろう無視不機嫌への恐怖で、
しぶしぶ妥協策を提案しました。
「じゃあ、明日ニフティにIP電話なしのプランに変更できないか聞いてみます。」
モラ夫はその日はそれで納得しました。
だけど、ニフティに問合せたら、IP電話はセットだから外せないとの回答。
それをモラ夫に報告すると、じゃあ危険だから他に変更しろと言われ、
ネットが使えない日が生じると困るから最速で切れ目なく乗り換えるようにと指示されました。
だから、数日のうちにソフトバンクの回線に乗り換え、ニフティには違約金を払いました。
あっさり書いてますが、
なかなかつながらないコールセンターに電話をかけ続け、
また比較サイトや口コミを調べて新たなプロバイダを選び、
うまく乗り換えできるようにNTTの工事日を調整し、
申込手続をしてルータの取り替えや再設定をしたり、
育児やパートや家事をしながら、そうとうな時間を割いた重労働でした。
もちろん、翌月には違約金の請求もきたので、
経済的DVを受けているのにこの分払ってくれるわけでもなく生活費を切り詰めて対応しました。
モラ夫は目に見えないプロバイダの変化なんてなんも気づかず、いつもどおりパソコンで遊んでいます。
モラ夫はなんにも関わってないから負担ゼロ。
はたしてこのときモラ夫は、本気でIP電話の危険性を心配していたんでしょうか?
わたしにはそうは思えません。
妻を叱り、仕事をつくって命令し、妻の時間を奪い、お金の負担までかけさせたということが、モラ夫が得た喜びなんだと思います。
このときどうしたら正解だったか今ならわかります。
最初から、意味がわからないというリアクションを取り続け、
それでもおさまらなかったら、
「聞いてみたらIP電話なしに変えてもらえた」
と嘘をつき、証拠の書類を見せろと言われても、ないとかなんとか言ってのらりくらりかわすのみでいい。
あなたも、モラ夫から命令されたとき
がむしゃらに忠誠心を示すことはもうしないでください。
じゃないと、モラ夫の要求はどんどんエスカレートし、
こうやって、あるはずのなかった仕事までつくりあげて押しつけられるようになりますから…。
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