モラ夫と結婚してから、転勤で何回も引っ越しをしました。
住む場所はいつも古い社宅。
まわりはだいたい子どもが小学生になるころに家を買う雰囲気で、うちもそんな流れになりました。
家を建てたのはまだモラハラという言葉を知らないころ。
人生の大きな買い物となる家の購入は、夫婦間でたくさんの話し合いが必要になります。
そう、モラハラ家庭での家の購入というのはつらいできごとの連発になるんです。
間取りにこだわるモラ夫だが中途半端
うちは注文住宅をたてたんですが、家を建てるのって決めなきゃいけないことが多いんですよね。
間取りを決める時から、モラ夫は建売住宅のようなありきたりの家じゃつまらないといって
一目ぼれした個性的なモデルハウスをもつハウスメーカーに決めました。
希望を伝えて設計士さんに図面をかいてもらうんだけど、
モラ夫までなぜか1万円もする間取りメーカーみたいなパソコンソフトを買って。
もちろんそんなのいらないですよ、
手書きでざっとこんな感じにしてくださいと見せればプロが描いてくれるんですから。
それでも使ってみたかったんでしょうね、それはいいんです。
だけど、まずもって土地が狭いし、予算があるし、
土地の形とか、方角とか、道路接地の場所とか、建ぺい率とか、北側斜線とか、
とにかくいろいろとあてはめないといけない条件があって、
たいしてバリエーションできないんですよ。
だからモラ夫はその1万円のソフトで一回だけ間取りつくってポイ。
こまかいオプション機能もあったのに、案外操作がむずかしくてメンドウなのか
仕事が忙しいからと投げ出しました。
設計士さんに何とおりか書いてもらった図面も、
実際の住み心地を考えて直してもらううちに
一周回ってスタンダードな建売住宅のような間取りにおさまりました。
話し合いができてない夫婦にハウスメーカー困惑
マイホームなんて、モラ夫にすればオレ様のチカラの象徴ですよね。
わたしは専業主婦だったし、土地も家も当然モラ夫名義で、
モラ夫の稼ぎのおかげで建ててくれたということに異存はありません。
それでも、家族が住んでこその家だし、家に長くいる主婦が使いやすい家にしたい。
家づくりに夢があったし、いっぱしの夫婦みたいに話し合いたかったけど、モラ夫といっしょだとムリでした。
家事の動線とか、収納のしやすさとか、そういうのを重視したいというわたしに、
モラ夫はそんなの慣れるとか、あとで家具でどうにでもなるとか、
広さや見た目を優先して意見を通してくれません。
これ以上言うとまた不機嫌・無視がはじまると思うと強く言えず、
でも一生のことだし、毎日家事するのはわたしなんだからゆずれないと言う思いもあり。
そうやってモラ夫の機嫌をうかがううちに、ハウスメーカーと打ち合わせの週末になります。
ここはどうしますかと希望を確認するハウスメーカーさんを前に、
モラ夫がなんと言ってくれるのかで家の仕様がどんどん決まっていきます。
中には、わたしに発言をうながすようなこともあってやんわり希望を言うと、
ハウスメーカーさんがそれをうまくカタチにしてデザインしてくれて
モラ夫も納得して助かったというのもあったけど、
いつもいつも、はっきり決定してないまま来店して
ちっとも妻がグイグイ出てこず夫の発言待ち、
そんなわたしたちにハウスメーカーさんが困惑してるのがわかりました。
モラ夫とデザイナーの盛り上がりによって、見た目重視で押し切られた
造作のパウダールームとひさしのない窓群、ホンットに掃除がめんどうでした。
そのくせキッチンだけは興味がないのかママンの言いつけなのか知らないけど、
「キッチンは奥さんが使うモノだから好きにして。」
と言ってはくれるけど、
貴重な週末をショールームめぐりに使いたくないから平日に自分で回って決めといてと。
上の子が幼稚園に行っている間の9時から2時までの間に2歳の下の子と2人でショールームに行き、
説明を聞いていて、ふとふりむいたら子どもが水を出してて全身ズブぬれ・床は水びたしなんていう悲劇もありました。
楽しいはずの家づくりも、モラ夫といっしょだと思うように楽しめず、
意見を言える妻だったらよかったのにと毎日毎日暗くなっていました。
火災保険の手続きでなぜ録音しなかったのかと責める
家を建てることでも工事が進む段階それぞれでなにかとイヤなことが起こりましたが、
マイホーム購入にまつわるいろんな手続きでもなんやかんやありました。
とにかくひとつ行事があるとひとつモラハラの思い出ができるわけです。
これをわたしは、いちイベントいちモラ説と呼んでいます。
こまかいことは忘れましたが、家を建てるときは住宅ローン期間の30年だか35年だか
そんな長ーい期間分の火災保険を一括で払う必要がありました。
その申込みについて、やはり平日に時間が取れるわたしが立ち会うことになりました。
家がオール電化住宅だったので、火災のリスクが減るから割引する特約がありました。
わたしのちょっとした質問に、雑談のように答えてくれた内容として、
「ガスコンロやストーブの火がないからの特約なので、灯油ストーブなんかは使わないでください。
ま、灯油ファンヒーターなんかはいいと思うんですがね。」
と保険屋さんが話してたよ~ってモラ夫に報告したら、
「そのことは一筆書いてもらったのか?
録音しといたのか?
あまいんだよオマエは!
いざ火災になって灯油ファンヒーター使ってたから保険おりないってなったらどうすんだ!」
と、めちゃくちゃ真顔で怒られました。
わたしは、モラ夫に怒られた、失敗した、詰めがあまかったかなと青くなって、
もう一度保険屋さんに確認しようかとモラ夫におそるおそる聞いたけど、
「そんなん言ったらもっと不利だってわからんのか!」
とさらに怒られ、数日尾を引きました。
落ち込んで社宅のママ友に相談したけど、みんなこぞって
「だったらアンタがやってよね! って言って無視したら?」
と、わたしは悪くないって言ってくれたけど、家に帰ればモラ夫とわたし。
そんなこと、言えやしません……。
モラハウスは楽しくない
新築の家を買ったからって、そこに住む家族が幸せとはかぎらないんですが、
まわりにはそうは見えなかったでしょうね。
もちろん、苦労して完成した家に入居した時は喜びもあったし
モラ夫と子どもと楽しく過ごした思い出もあるにはあります。
でも、家を思い出すと、
あの部屋が説教部屋だったとか、
あの場所で性的DVされたとか、
あそこで頭をたたかれたとか、
そういうイヤな思い出ばかりで、二度と住みたいと思いません。
あ、ひとつだけよかったことがあります。
人生で一度ぐらいは、新築の家に住んでみたいと思っていたので、
それがかなったことだけはモラ夫に感謝です。
夫がモラハラだけど、家とかマンションを買ったら楽しくなるかもと期待してるあなたに伝えます。
モラハウスに住んでも楽しくないよ!
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