身体的暴力はしなかったモラ夫から、はじめて叩かれたのち。
ネットでモラハラのことをたくさんたくさん検索した。
モラハラに悩んでいる人のブログも多く見つかった。モラハラ日記のようなブログを読み、同じ境遇の人がいることに涙しながら夢中で読んだ。
また、モラハラの被害を受けている人向けの、共感やアドバイスをしているサイトも時間を忘れて読みあさった。
そのうち、「モラル・ハラスメント被害者同盟」を管理運営されている方が「モラハラパブ」という掲示板をつくっていて、そこの書きこみから男性がモラハラ対処のブログを運営していることを知り、読むようになった。
離婚しないモラハラ対策カウンセラーのJoe(ジョー)さんのブログを熟読する毎日
離れられない『モラハラ』『身近な人からの攻撃』対処の超裏技!
というタイトルで、(読み始めた当初は、離婚しないモラハラ対処の超裏技というタイトルだった記憶が。)
離婚しないモラハラ対策カウンセラーのJoe(ジョー)さんが毎日更新されているブログだった。
Joeさんはモラハラ家庭で育っているので、モラハラする側される側を実際に見ていて、そんな家庭で育つ子ども目線の気持ちも分かってる人。
ブログでは、モラ夫とすぐに離れることができないならモラハラを受けるダメージを最小限にしていこうという発想で、さまざまなアイデアが紹介されている。
支離滅裂なモラハラ攻撃をしてくるモラ夫の嫌がらせを、論理的に分析し解説しながら、そのうえユーモアも交えながらこうしてみてくださいと指南している。
モラハラ対処のJoeメソッドは、基本的にモラ夫への反応をうすくすることをベースとし、具体的なモラハラシーンに応じた細かいテクニックでかわすというもの。
それを実践していくうちに、本当にモラ夫からのモラ言動が減ったり、自分の精神のもちようが変わったりしたので、これはすごいと魅了され、Joeさんのブログを読者のコメントも含め毎日すみずみまで読んでいた。
ブログを読み始めて半年が過ぎるころ、Joeさんの少人数制のセミナーが近くで開催されることを知った。
それまでは、ネットで知った個人セミナーなんてあやしいと警戒していた。
だけど、ブログをある程度の期間読み続けていたので、Joeさんの人柄や技量は信用していたし、セミナーで会えたら自分のケースについてのモラハラ対策アドバイスがもらえるのではないかと考えた。
そして、インターネットの中ではたくさんのモラハラ被害者がいるはずなのに、実世界ではモラハラを受けている人はおろかモラハラを話題にする人すらいなかったので、語り合えるリアルな仲間がほしいと思った。
勇気をふりしぼって、セミナーに申込をした。
モラハラカウンセラーから、早めの脱出をすすめられる
それでもなお、セミナー当日までは、やっぱりそのような集まりに行くのが怖いと思ったり、もしも知り合いが来ていたらどうしようとか、行くのをやめようかなと迷っていた。
覚悟を決めてセミナー会場のドアを開けると、部屋をまちがえたかな? と思うほどの明るい雰囲気で、参加者が談笑しながら座っていた。
その後わかったのだが、出会ったモラハラ被害者は、暗くておとなしいというDV被害者のイメージとはかけはなれた、バイタリティとユーモアにあふれた人ばかりだった。
そういえばわたしも、モラ夫がいない世界では元気でおしゃべりと認知されたキャラクター。
逆にそういう人が家庭内という密室で残酷なモラハラに遭っているというのが、モラルハラスメントの恐ろしさ!
とにかく、この日のモラハラ対策セミナーがわたしの人生を変えた。
熱弁をふるうJoeさん、質問しまくる参加者に圧倒されつつも、最後にJoeさんに質問するチャンスがめぐってきて、
「ぜったい別居すると決めたけど、子どもが大学を卒業するまでモラ夫と共存できるようにがんばりたい」
とわたしが言うと、Joeさんはわたしのモラハラ被害例を聞いたうえで、うちのモラ夫がモラハラ教科書の模範生のような典型的モラハラ人間と指摘。
「あと10年もあるけど長くない? いまの生活と、子どもらとアパートに暮らす生活想像するとどっちが楽しそう?」
と聞かれて、「アパート暮らし」と即答するわたしがいた。
この瞬間、はっきりと意識が変わった。
そのときの情景を思い出すと今でも胸が高鳴るほど。
子どもが大きくなるのを待っている場合じゃない!
綿密に脱出準備して、一年後の子どもたちが夏休みのうちに脱出してわたしの人生をとりもどす!
ぼんやりと夢見ていた、届きそうもないもう一つの未来への道しるべが脳内にクリアに現れたようだった。
さらにこのセミナーの日のもう一つの収穫は、同じような境遇に苦しんでいるモラハラ被害者友だちができたことだった。
みんな匿名で参加していたので、解散すると二度と会えないと思い、思い切って数人にお茶でもしませんかと声をかけ、初対面なのに何時間も語りあった。
この日LINE交換をした仲間はかけがえのない戦友となり、ときには泣きながらモラハラを報告しあったり、ときには楽しく飲みに行ったりする友だちになった。
コメント