親がモラハラ加害者とモラハラ被害者という関係のもと育つ子ども
子どもが小さいあなた、モラキッズがどう成長したか気になりませんか?
わたしはとっても気になってました。
こんな夫婦関係を見ながら育つ子どもがまともに育つのか不安で。
モラハラ経験者の、ある程度成長した子どもがどんな感じなのか知りたいと思ってました。
なので、現在十代のわが家の子どもたちがどんな感じか、
これからときどき紹介できたらと思ってます。
被害者の側がモラハラをされているという自覚がなければ、
子どもはかなり高い確率でモラハラする側かされる側になってしまうといいます。
わたしは子どもが小学生になるころ、夫がモラハラ人間だと知りました。
それからは、子どもがモラハラの育つ影響を受けないように気を使いました。
モラハラの解説や対処法、先輩モラれ妻の体験談を参考に、
❝あなたを大切に思っている❞というメッセージが伝わるような接し方をモットーに子育てしたつもりです。
現在高校生の子どもたち。
今のところモラハラ傾向はないけど、
どちらかといえば被害者体質というか…
他者にゆずりがちな傾向があります。
もちろん、やさしさ、思いやりをもっているからこその性格であって、と思うんですが、
これが悪く作用して、大変な事件が起こってしまいました。
これから、友だちに50万円貸してなかなか返してもらえず、
親を巻きこんでやっと返済してもらうまでの一部始終をお話しします。
友だちに50万円貸していることが発覚
ある日、高校3年生の息子のおこづかい用の銀行口座の通帳を記入しました。
これまで貯めてあげていたお年玉などを貯金した口座のキャッシュカードを、
子どもが高校生になったとき渡していたんです。
通帳はわたしが管理してたまに記帳するというスタイルで、
これまではときどき数千円おろしているという程度でした。
もともと残高は30万円くらいだったけど、
子どもが使う以上にモラ夫からおこづかいをもらったり、
祖父母からお年玉などをもらって貯めるので、50万円ぐらいに増えていました。
いつも、もっと若者らしくいろいろ買えばいいのにと思っていました。
ところが、今回記帳したら、残金がわずかしかありません。
通帳には、5万円という単位で月に何回も引き出している記録が。
多い時には一度に10万円以上もおろしています。
わたしはATMを出てチラッと通帳を確認した瞬間、
ワナワナと体が震え、目の前が真っ暗になるのを感じました。
少し離れた場所に移動して、あらためて通帳を確認しても、
やっぱりまちがいない。
半年前からお金のおろし方がおかしくなっていて、
あっという間に残金がなくなっている…。
とはいえ、息子は服を買ったりはしません。
目立たないタイプのまじめな男子高生で、
友だちも少ないから遊びに行くことも少ないです。
あらゆるよくない想像を抱えながらやっとの思いで家に帰り、
息子に通帳を見せて問いただすと、
バレたか! っていう顔になり、
「友だちに貸してる。
だけど返してもらえるから大丈夫。」
と言います。
その総額はなんと50万円!
友だちに50万円貸した理由とは
恐喝されてるのか?
上下関係があるのか?
それが心配で、できるだけ冷静になるよう自分に言い聞かせながら、
「なんでそんなことになったのか、どんな事情があったのか?」
子どもにたずねました。
すると、貸した相手はいっしょにバンドをやっている子で、
楽器を買ったり修理したりライブの費用がかかる。
その子は、父親は暴力をふるうから怖くて言えないし
母親は病気がちで治療費がかかるのでお金のこと言えない
でも音楽の才能はずば抜けてるから応援したい
そんなふうに息子は言うのです。
「事情はわかるし、友だちが好きなんだという気持ちは尊い。
だけど、友だちにお金を貸したり借りたりしてはダメ。
自分でかせいだお金なら自由にしてもいい。
でも、このお金はおじいちゃんおばあちゃんが
あなたがほしいものを買ってほしいという愛情でくれたもの。
あなたがバカみたいにゲームに使ったとか
推しにお金使いまくったとか
そういうのならちょっと考えて使いなさいぐらいの注意しかしない。
だけど、人のために使うというのは、
おじいちゃんおばあちゃんの希望ではない。
そこんとこわかるよね?」
と、子どもに説教をしました。
そして、経緯をきくと、
最初は交通費とかで5000円貸して返してもらってとか
そういう感じから始まって、
「お金もっているけど、自分はすぐに使う予定はないからいいよ」
という感じで、どんどん高額を貸してと言われるようになったらしい。
「はっきりいって、つけこまれてるし、
本当に大切な友だちならお金貸してなんて言えないよ。
まして未成年でそんな大金を、
いったん返してもらわないうちに次のお金を貸すとかありえない。
大人でもこんな大金を貸し借りできない。
金融会社に借りたら利息いくらになると思ってるの?
あなた利用されてるのよ?
よその裕福な家庭の子ならいざしらず、
なんでうちみたいなワケあり家庭の子にお金借りるの?」
って、なかば取り乱しながら息子に訴えました。
そしてその場で友だちに電話させて、
「親に見つかったからすぐに返してほしい」と言わせ、
1ヶ月後に返すと約束したと言うので、
「ならばそれまでは何も言わずに待つけど、
返ってこなかったら親に話をするからね」
ということになりました。
約束を守らず返してくれない友だち
そして約束当日。
夜になり、返してもらったかと聞くと、
息子はなんでもないかのように
「今日は用事ができたから1ヶ月後に変更になった」
と言うではないか!
は?
と思ったけど、息子が友だちを信じる気持ちもだいじにしたいから、
本当に返してくれそうなのか念を押し、大丈夫というので許すことにしました。
そして2回目の約束の日。
当日になり、バイト代が入るのが1週間後だから待ってほしいと言ってると言います。
「前からわかってることを当日言うっておかしいでしょ?」
と叱るけど、お金がないんだから今日どんなに言ってもムリじゃん、って息子が言います。
そりゃそうだし…ってことで延期。
そして3回目の約束の日。
大雨警報が出たので翌日に延期。
翌日になり、返してもらうと言って夜出かけていき、
なかなか帰らないのでLINEすると「返してもらった」と言うので安心したけど、
実際に帰ってきたら、
「振込したと言われたから現金はもらってない」と言います。
そこでまた翌日、残高照会するけど入金されていません。
そのことを夜に息子に報告して友だちに確認させると、
「昨日の夜にバイト先まで出かけて行ってお金をもらってから振込をした。
だから、1日かかるのではないか」
と言ってると。
なのでまた翌日、朝と夕方の2回ATMに行くけど入金されてません。
再度友だちに確認させると、
「未成年の口座の大金の移動だから3日ぐらいかかると銀行から回答された」
というので、
おかしいな…とは思いつつ、わたしも銀行に確認しようと思うけど
HPのQ&Aでは見つからず、コールセンターは営業時間が終わっていて解決せず。
そして3回目の約束の日から5日経過。
息子といっしょにATMへ行き確認してもいまだに振込がされてない。
友だちに確認をさせると、さらに翌日になると言われたとか要領を得ないことを言うので
銀行のコールセンターにわたしが電話して確認。
すると、
「振込は15時までの受付は当日、それ以降は翌営業日着金で
未成年の口座だから時間がかかることはありません。」
やっぱりそうだよね~。
で、これはぜったい返す気がないと判断したわたしは、
子どもにその友だちに会わせろと言いました。
友だちはOKしたと言い、連絡取った30分後に繁華街の公園に来てと言ってると。
お金を借りてる友だちの親を、急に交通費も時間もかかる場所まで呼び出すとは…
とんでもないなと内心思ったけど
とにかく子どもの友だちを悪く言ってはいけないと思い、
急いで用意をして出かけていきました。
そして待ち合わせ場所。
その友だちは、会うなりちゃんと挨拶をして、ごめんなさいと頭を下げました。
「今日いくらなら払えるの?」
とわたしが聞くと、本当にお金がなくて1円も払えないと言います。
「親に立て替えてもらえないかな?
親にきちんと話せばわかってくれるよ。」
と言うけど、親は本当に怖い人なのでそれだけはムリですと言う。
「悪いけど、金額が金額だし、ちゃんとしないといけないことだから、
一筆書いてもらえるかな?」
と、用意していった紙とペンを出して念書を書かせました。
自分の住所を記入するとき、一瞬手が止まったのが分かったので、
まさかウソ書かないよね…と心配にはなったけど。
それから2ヶ月後に一括で返すと言うので、
「今まで1円も返せてないのに一括はムリでしょ?
分割でもいいから、きちんと返済計画を書いて。」
と言ってあげてるのに、バイトをかけもちするから一括で大丈夫と言います。
わたしは、
「これが本当に最後で、返せなかったら親に言います」
と宣告しました。
ぜったいムリだなと確信したけど、
息子が隣で2人のやりとりを心配そうに見てるし、
念書を書かせたということでその日は終わりました。
案の定50万円は返ってこない
これまでの彼のウソのつきかたやルーズさが典型的な感じで、
高校生にしてこれでは…とよそのお子さんながら心配になりました。
まずもって返ってくる感じはしないので、
どうやって返してもらうかを考えました。
でも、親に連絡するといっても、連絡先を教えてくれなければどうしようもないと思ってきました。
書いた住所がウソだったら?
学校の同級生だったけど、その子はもう退学してしまっているので学校へ相談もできない。
住所が本当だとして、内容証明を送るにしても、親の名前が分からない。
子ども宛に出したものを親が受け取ってくれるのか?
そこは「保護者様」と連名で宛名を書くか。
まず住所を確認しなければと思いストリートビューで見るけど
家が見えるところにカメラが入ってないから特定できません。
そこで、息子に内緒で家を探しにいきました。
すると、真新しい戸建てで、表札の名前も一致!
住所を書くとき考えてたのは、引っ越したばかりで覚えてなかったのかなと合点がいきました。
家がこんなにちゃんとしてるなら、ちゃんと親から返してもらえそう。
そう思うと、少し気はラクになりました。
母のそんな心労は知らない子どもたち。
最終通告日の当日になりました。
夜にうちに返しに来るという約束で待っていると、
遅れるという連絡がきたそうで、
それで友だちの家の前で帰宅を待つことになったと息子が言います。
なのでわたしも一緒に出かけて行って、
家の前で待っているけど、もうすぐ帰ると連絡があってからすでに30分経過。
何度かLINEさせたけど、答える現在位置があいまいで、
すぐ近くと言ったりまだ遠くと言ったり。
「もうムリだね。親に話すと言いなさい。」
と息子に言い、わたしも電話をかわり、本人に今から家を訪問すると告げました。
その友だちは、長い時間無言だったけど、
「ハイ…。」
と言ったので、ピンポンしました。
うろたえる親の姿に胸がつめつけられる
「夜分おそれいります。同級生ですが…」
とピンポンすると、
「はーい、お待ちくださーい」
と、よさげなお父さんの声が。
そして、お母さんがドアを開けて玄関に入れてくれ、対応してくれました。
「あの…うちの子がどうかしましたでしょうか?」
不安そうなお母さんに、
「いつも仲よくしてもらってありがとうございます。
実は子どもがお金を貸してまして、今日返す約束に来てくれなくて。」
と言うと、おいくらほど…? と聞かれたので50万円と答えると
「50万円!!」
と、お母さんは息をのみこみました。
「なんで…どうしてそんな高額を…どんな内訳で…」
とうろたえられるので、
書いてくれた念書を見せ、引き出しが続いた子どもの通帳を見せました。
なぜか借金自体にあまり驚く様子はなく、その金額にビビったという感じだったのは、
実はこれまでも他の友だちにお金を借りていて返してあげたそうで
「もう他にはない、これで全部」
と言ってたから、信用していたそう。
「どうしてでしょう…あの子ウソばっかりつくんですよ…。」
と、泣きそうになるお母さんを見ると、胸がしめつけられる思いでした。
庭の手入れも行き届いた真新しい家、
玄関の視界に入るのは、こだわったとうかがえる
ステキな壁紙や小物のかざりや広々とした玄関ホール。
幸せそうな家族としか思えません。
「あいつは音楽のことでは本当すごいんです。
そこは認めてやってください。」
と殊勝なことを言う息子に、
「なんて、おやさしい…。」
とお母さんは涙ぐみます。
お母さんは、今手持ちがないので明日振込して返しますと言ってくれ、
その日は電話番号を交換して帰りました。
翌朝さっそく振込ましたと連絡がきて、
わたしはお礼を言い、あまり叱らないであげてくださいと告げ、
この問題はやっと終わりました。
発覚してから4カ月以上を要しました。
本当は一度しか延期を許すべきではなかったのに、
つい、
「親に知られたくないという気持ちも分かるし、
子どもが大切に思っている友だちだから、
いいところもいっぱいあるんだろうし、
この件がかたづけば勉強になったということですむのだから、
子どもを傷つけたくない」と思ってしまいました。
「なんかお父さんインターホン感じよかったし、
暴力ふるうとか話ちがくない?」
って息子に言ったら、
「あんた本当におめでたいな。
外ヅラいいけど暴力ふるうかもしれないじゃん?
現にインターホン出たけど最後まで顔出さなかっただろ?
そんなんじゃ詐欺にあっちゃうよ!」
と、子どものくせに達観したようなことを言います。
詐欺られたのはオマエじゃーーー!!
と言いたくもなったけど、父がモラハラだったから、
外ヅラと本当の顔はちがうんだと悟っているのかもしれません。
モラハラ被害者体質が招いた事件だったのか?
大金を子どもに管理させていたわたしにも責任はあります。
息子は1年間モラ夫のもとで暮らしていて、
わたしのところに戻ってくるときにモラ夫から10万円超えの現金をもたされていました。
高校生になるのに母からおこづかいがもらえないとかわいそうという理由で。
なので、それにわたしが手をつけることはないというポーズで口座に入金し、
いつでも使えるようにキャッシュカードを渡したんですよね。
小さいころからのおこづかいも貯めていたので残高が大きかったというわけです。
そういう家庭の事情があるとはいえ、
もし相手の親に連絡したところで、そんなことは知らないから、
「あなたこそ親の管理不足では?」
「本当に借りてるんですかね?」
などとキレてくるようなタイプじゃなくて本当によかったです。
子どもには、お金の貸し借りがどんなにいけないことかをしっかりと言い聞かせました。
「どんなに仲よくしていて好きな友だちでも、
お金を貸してしまったら、いつ返してくれるのかなと悶々としてしまう。
お金は返してくれないのに、
おかし食べたり服買ったりしてるのを見るとモヤモヤしてしまうでしょう?
楽しい雰囲気をこわしたくなくて、返してって言いにくいでしょう?
1~2回は言えても何回もは言いにくし、時間がたつにつれもっと言いにくいでしょう?
だから、仲いい友だちにもお金を貸したらダメ。
どうしても貸したいなら、返ってこない覚悟で、あげてもいい金額にしなさい。」
ちゃんと伝わったことを祈ります。。。
もちろん今回のことは、お金を借りて返さない友だちがいちばん悪いです。
だけど、息子にも原因があるのは明白です。
思いやりがあってやさしいといえば聞こえはいいけど、
結局は自分へふみこんでくる人への境界線の意識があまいんです。
「これ以上は危険、おかしい、ムリ」という認識がにぶいのか
分かってはいたとしても、そんなことを思う自分は冷たいなどと思い許してしまう。
「いいやつだし、困ってるんだし、疎遠になりたくないし」
そういう思いが先行して、
自分がゆずったほうが早いし楽だしその場をしのげるから、
無茶な要求を受け入れてしまう。
そして相手も他者への境界線があまいタイプだと、
許してもらえるのをいいことにドンドンふみこんでいき、
❝オマエのモノはオレのモノ❞という感覚になってしまう。
きつい思いをしてバイトするより、親にたのんで怒られるより、
怒ることもなくお金を出してくれる息子に依存するのがラクだし。
まるで、モラハラ男とモラれ女の運命的な出会いのように結びついたんでしょう。
「ぜったいダメなお金のこと」として説教した今回の件ですが、
息子のような性格ではモラハラ思考の人間がかぎつけて寄ってくる心配があります。
中2までモラハラ家庭で育ち、
その後1年間モラ夫とその母と暮らしたのが原因なのか
モラハラされてしまうような性質のわたしと暮らしてるからそうなのか
あるいはもってうまれた性格なのか
どうしてなのかは分からないけど、
もう大人になってひとり立ちする直前なので、
なんとか意識を変えていってもらいたいと強く思ったできごとでした。
でもね、50万円って…。
モラハラに悩んで別居資金の50万円をなんとかつくりたいとがんばっていたころ、
あのときでさえ子どもたちのお金には手をつけずにいたのにあっさり貸してしまうだなんて。
子育てはいくつになっても思いもよらないことばかりです。
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