モラ夫×転勤族=サイアク
辞令が出るシーズン、同じ社宅の転勤族妻たちはみなドキドキしていました。
社宅では、全国あちこちへ引っ越しが決まったという報告やうわさでいっぱい。
年に2~3回ほどの転勤時期には、子どもたち・ママ友たちとのお別れシーンがあちらこちらで見られます。
わたしも、毎年桜の時期になると、来年の桜はどこで見るのだろうか…と思ったものです。
引っ越しはキライじゃないけど、親しくなった人とのお別れは苦手。
毎度、涙涙でバイバイをして、また新しい土地で公園デビューをするのにはどうにも慣れません。
そういう思いを夫に話して共感してもらえる転勤族妻っているんですよね、まわりには。
すでにうらやましいという感情はとっくの昔に消え失せて、別世界の物語だとあきらめていました。
だって夫がモラハラ人間だと、あたりまえながら泣き言は言えません。
言ったところでどうなる?
「オレこそ仕事が変わって大変なのにナニ? オマエなにもしてないじゃん!」
「あまえるな! オマエほどラクして向上心のない人間はいないんだよ!」
こんなふうに怒られるのがオチ。泣きっ面にハチ。
ところで、未就学児の子どもがいる転勤族はどうやって新しい土地での生活を始めるのかというと…。
昼間は引っ越しの片づけもそこそこに、外遊びも新しい友だちづくりも必要なおさな子をつれて公園へ行かねばなりません。
子どもは体力をもてあまして外で遊びたがるし、引っ越しで不安になっているから楽しい思いをさせてあげないと!
人見知りなわたしだけど、同じぐらいの年の子を遊ばせるママさんグループが見えると、いったん深~く深呼吸。
「初日が肝心!」
と自分に活を入れ、お砂場の母子グループに歩み寄ります。
「こんにちは~、きのう〇〇から引っ越してきました。よろしくお願いします!」
がんばって明るくあいさつをして、子どもをお砂場に解き放ちます。
すると、子どもの年齢や名前、どこに住んでいたのかなどなど、ひとしきり話に花が咲いて公園デビューの成功を感じます。
この瞬間が、いつも本当にうれしかった。
「引っ越しの荷ほどき大変でしょ、大丈夫そうなら子どもだけ遊ばせといていいよ。」
「お昼ごはんまだつくれないでしょ?今日うちに食べにおいでよ。」
そんなふうにあたたかく迎えてもらい、新しい土地のよさを見つけていく…。
だから、別れがあっても出会いもある、転勤族も楽しいものだと思っていました。
夫がモラハラでさえなければ。
引っ越し当日の夜にいきなり飲み会に出かけるモラ夫
ある時、転勤先がわたしの地元の隣県だったので、下の子が産まれたばかりということもあり、親に引っ越しの手伝いにきてもらいました。
ある程度片づけが進み、夕方になってきたので、あとはぼちぼち自分たちでやれるかな、という感じになりました。
なので、わたしの親は帰って行きました。
すると、その直後にモラ夫が信じられないことを言い出しました。
「新任地の人たちが、歓迎会をしてくれるというから今すぐ行かないといけない。」
は?
その日は、荷物を入れたばかりの社宅ではまだ勝手がわからないだろうからと街中のホテルをとっていました。
だから街中に電車で移動する予定ではあったけど、歓迎会の話なんて聞いてないから、まだやることが残ってます。
予定がわかっていれば計画的に片づけを進めたのに、モラ夫はわたしの親には飲み会に行くことを知られたくなかったんでしょうね。
そんなモラ夫の外ヅラづくりのせいで、時間に制限があることを知らずに片づけを残していたわたしは一緒に出発することができません。
モラ夫は2歳の上の子だけを連れ、生後1ヶ月の下の子とわたしを置いて先に行ってしまいました。
わたしは頻繁に授乳が必要な下の子の世話をしながらなんとか片づけを終え、慣れない土地で地図を頼りに駅までだっこひもで移動。
ターミナル駅について、トイレや授乳室を探して赤ちゃんのお世話をしてまた電車を乗り換え、予約していたホテルに移動。
これサラッと書いてますけど、本当に地獄でしたよ……!!
なんとかホテルにチェックインして、まだベビーバスが必要なほど小さい赤ちゃんを空中シャワーで洗い、やっと眠ってくれたスキに移動中に買ったコンビニ弁当でごはん。
途中モラ夫から
「子どもかわいいってみんなに大人気だよ!」
とイラつく写メが送られてきました…。
転勤後はモラハラが最高にひどくなる
振り返ってみると、モラハラがひどくなるのは仕事の異動があった後が多かった気がします。
いつも妻にモラハラしてストレス発散してるくせに、仕事でストレスがかかるとさらに妻に当たるのかいな?
とにかく、気がつけば無視が始まっていて、何かしゃべったと思ったらわたしを責めて叱ってということばかり。
こっちも引っ越し後は子どものコミュニティづくりや社宅のみなさんとの関係づくりで忙しいんですよ。
生協のグループに入れてもらったり、幼稚園や病院や習い事の情報を教えてもらったり、主婦だって重要な任務があるんですよ。
スーパーも変わって売ってる食品も変わって料理もままならないのに、ごはんが手抜きとかおいしくないとか怒られて。
引っ越しの荷ほどきもなかなか進まないから、あれはどこだ?とか聞かれてもすぐ出せないし。
なんか引っ越し前夜に機嫌が悪くなって、だまって出て行って荷作りしなかったこともあったな~。
なんなん?ホントに。
そんなモラ夫ですが、別居してからも2回ほど転勤してるらしいけど、あの独特の「無視して威圧」というモラハラのかわりにどうやってストレス発散してるのか興味深いです。
コメント