結婚して10年、モラルハラスメントという言葉を知った

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今にして思えば結婚してからすぐにモラハラをされていたわたしでしたが、
モラルハラスメントという言葉は長い間知りませんでした。

「モラルハラスメント」は、
フランスの精神科医、マリー=フランス・イルゴイエンヌが1998年に提唱したので、
わたしが結婚する前から存在していた言葉です。

『モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない』
という本も出版されています。

だけど、
わたしがモラルハラスメントという言葉を知り、
自分がその被害を受けていることを知るのは、
そこから約10年も後のことでした。

モラルハラスメントの記事を読んで全身に衝撃が走った

すでに10年ちかくモラ夫と結婚生活を送っていたわたし。

モラ夫からされてきた数々のつらいできごとを気軽に話せる友人もほぼいなかった。

唯一、学生のころからわたしを知っている古い友人とダンナの愚痴で意気投合し、
どうもわたしたちの夫は今どきの一般的なやさしいダンナ様ではないようだねとなぐさめあっていた。

「男尊女卑がすぎるよね」
「亭主関白もはなはだしいよね」
「自己チューにもほどがあるよね」
「ぜったい自分が悪いと言わずオマエが悪いというよね」
「怒るとマジ怖いし、言い返しても口じゃかなわないよね」

そんな感じで、実に残念なダンナだよねとなぐさめあっていた。

ある日電車移動中に、ケイタイでどっかのサイトのニュース記事なんかを読んでいると、夫が怖い妻の話みたいなタイトルが目に入った。

気になって読んでみると、
なんとも言えない、当人同士以外には分かりにくいような
夫から妻へのいやがらせの事例があげてあって、

それがことごとくうちの状況に似ていた。

「なにこれ・・・。まるでわたしのことが取り上げられてるみたい・・・。」

心がザワつきながら夢中で読んでいると、
その夫はモラルハラスメントを行っているという指摘があり、
“モラルハラスメントをする人の特徴”という解説がされていた。

罪悪感を持たず、責任を人に押し付ける。

強い者には弱く、弱い者には強くふるまう。

ターゲットに対して際限なく高い欲求をする。

自分の言うことが矛盾していても気にならない。

いつも自分がされている行為がこれらにピタッと当てはまることに気づき、全身に衝撃が走った。

そのときの気持ちは、絶望ではなくてなぜか安堵だった。

「あぁ、なんとも説明しにくい夫から受けるつらい行為には名前があったんだ!
その名前は・・・モラルハラスメント!」

それは、たとえるなら、
千と千尋の神隠しでハクの本当の名前が分かったときのようなクリア感。

千と千尋の神隠し
スタジオジブリ

男尊女卑やら亭主関白やら
イマイチ合ってないんじゃないかというピースをはめてごまかしてたけど、
やっぱりパズルにはピタッとフィットするピースがあるんだね。

わたしはすぐに長年愚痴を言い合ってきた友人にメールをした。

「分かったよ、わたしたちのダンナが何者なのか!これだよ!」

モラハラと分かったところで事態は好転しなかった

わたしはモラハラという虐待をされていたんだと理解したけど、

とにかくモラハラについてのネット情報を読みあさったりしても、
どうしたらモラハラをされないようになるのかなかなか分からなかった。

モラハラされたら、はっきりイヤと言いましょうとか書いてあるけど、
すっかり上下関係が確立してるのにそんなに急に変われないよ・・・。

しかも、モラ夫はいかにも非常識な要求という形を取らず、
「これくらいだれでもやってるのにオマエはわがままだよ」
みたいな雰囲気をかもし出すだけ。

突っぱねればいいというようなシチュエーションにもなってないことが多いし、
モラ夫に背けばその先に無視暴言が待っていると思うとムリ。

もちろん、モラハラという言葉を知る前と知った後では、
なんというかマインド的にはぜんぜん変わったのでよかったと思うけど。

この段階ではまだ、モラハラという言葉を知ってもネットで検索しやすくなったぐらいで、
ただただ、モラハラの恐怖・悲惨ブログなんかを読んで
みんながんばってるからわたしも耐えよう・・・と涙を流す日々を何年も送った。

数年後、三船美佳さんのモラハラ離婚ニュースが流れる

依然としてモラルハラスメントという言葉は知る人ぞ知るという感じが続き、
広くモラルハラスメントという言葉が世間で知られるようになったのは、
たぶん2015年に三船美佳さんの離婚の原因としてニュースになったとき。

高橋ジョージさんは一貫してモラハラを否定し、いじられネタにさえしてたけど、
三船美佳さんは公の場ではいっさい反論や説明をしなかった。

もちろん真実がどうだったかなんて分からないけど。

もしわたしとモラ夫が芸能人だったとしたら、

たぶんモラ夫は、周囲にモラハラの事実を否定して
反省していると訴えてかわいそうなオレと猛アピールするだろうし、

わたしは、モラ夫のようにうまく説明もできないし周囲にアピールもできないから
それにモラ夫からの反論や周囲からのあなたも悪いのではという声も怖いから
やっぱり沈黙をつらぬいて、しかるべき場所でのみ真実を示していくと思う。

だから、三船美佳さんには自分を重ねて見ていた。

この件で、モラハラってこんなにひどいんだねって
世間に知らしめたことはよかったけど、

被害者のほうも原因があったとか、離婚してお金を請求することを非難したりとか、
そういう声も一連の報道の中では少なくなかったのが怖かった。

それに、モラハラした相手は離婚をなかなか承諾せず、
離婚成立まで1年以上かかったことが、モラハラから逃げるむずかしさを印象づけた。

真実

激化するモラハラに限界を感じ、Joeさんのブログに出会う

あいかわらずモラハラ生活を送っていたけど、明らかにモラハラの内容がひどくなっていくのを感じ、いよいよ心身限界にきていたころ。

モラハラ対策方法を指南しているJoeさんのブログに出会った。

世間一般ではよく、
モラハラとは肉体的なDVはせず、精神的あるいは言葉によるDVです
などど説明されている。

たしかにそうなんだけど、
なんかそういうのってモラハラじゃない人でもあることだし、
うちのモラ夫はいわゆる言葉づかいが荒いとか口が汚いわけじゃない。

一般的なモラハラとはの説明がなんか腑に落ちない。

精神的あるいは言葉的なDVも、ときとして爆発することはあるけど、
そうじゃないときも常にわたしはモラ夫の顔色を気にしてビクビクしているし
第三者にはなんでもないように聞こえる会話でも、それはわたしにとっては陰湿な悪意をふくんでいるものだったりして背筋が凍る。

そんなわたしに、Joeさんのブログは、モラハラは洗脳なんだよって教えてくれた。
モラ夫とわたしの異様な上下関係が、洗脳だと説明されると納得できた。

ぜひ、この記事を読んでください。

『モラハラは「洗脳」である』
1日に3記事書くって、無理があるよねさてこんにちわ。『離婚しないモラハラ対策カウンセラー』のJoe(ジョー)です。今日は、モラハラとは、ただの「言葉の暴力のこ…

今ではモラハラというワードがあまりにも一般的になってしまって、
なんか深刻さに欠けるというか、けっこうあるよね~ぐらいにあしらわれたり
特殊なことではないのかな、なんて麻痺してしまうけど。

「洗脳」って聞いたらめっちゃ怖くないですか?

わたしはJoeさんの解説を読んですごくしっくりきたし、同時にすごく怖くなりました。

そして、今はまだ精神的にもちこたえてるけど、いつか限界がくるかもしれないし、
洗脳なら逃げる気力も正しい判断力もなくなって廃人になってしまうんじゃないかと本気で思いました。

そこから、なんとかならないかなと真剣に考えるようになってからの生活が、このブログの脱出体験記につながっていきます。

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