妻のつとめ、求められるうちが花という呪縛
前回に続き、夜モラの話です。
政治家じゃないけど、
わたしの離婚したい理由の三本柱は
①モラハラ
②経済的DV
③性的DV
ということだと弁護士さんに伝えて闘いました。
モラ夫からの性行為強要が本当に苦痛で、そう本人に訴えたのに、
イヤよイヤよも好きのうちと本気で思ってるのかのようにどこ吹く風。
そんな、昔からある男性に都合のいいような風潮を憎んでいました。
「減るもんじゃなしもったいつけるな」
「夜の相手は妻のつとめ」
そういう、相手の気持ちを1ミリも思いやらない「常識」がどんなに残酷なものか。
男の人にはわかりっこないんだろうとあきらめていました。
モラハラというものを知らなかったころから、
「なんでそんな気になれないし体がきついのに断る権利がないんだろう?」
ともやもやしていたけど、
ママ友のなかにはセックスレスで悩んでる人もいる。
それに比べたら求められるわたしは幸せなんだと言い聞かせ。
夫の浮気や風俗通いで悩んでる妻だって世間にいるんだから、
それに比べたら妻で満足してくれるモラ夫はいい夫なんだと言い聞かせ。
モラルハラスメントの存在を知らなくても、
うちの夫はなんかおかしいと夫婦仲に悩みながらも、
「でも、うちは夫婦生活がある。
これで夫婦生活すらなくなったら本当に破綻する」
そういうふうに自己暗示をかけては心を殺して体を投げうっていました。
だけど、子どもが成長してきて夜も遅くまで起きているようになり、
また、性教育も受けて性行為がどういうものかを知るようになると、
モラ夫がわたしにしている痴漢行為のような異常な行為を
万が一にでも目にしてしまったら、どんなに傷つくことになるかとおそれました。
「子ばなれしないと」と言われてブチギレ
モラ夫は理想の家族像をこじらせていたので、
とにかく「家族だから」という自分勝手なルールが多く、
そこに性欲が強いという決定的な欠点があったのが悲劇でした。
せっかく家を建てて子ども部屋もつくっているのに、
子どもが中学生になっても家族みんなで同じ部屋で寝るってルール…。
子どもが寝静まってからするっていっても、
同じ部屋じゃもちろんできないから他の部屋に行って、
そこに布団をその都度持っていくのです。
そうやって夜中にゴソゴソしてると子どもが起きるかもしれないし、
もし目が覚めて親がいないことに気づいて見つかってしまったら?
そういう心配がどんどん大きくなって、
「そろそろ子ども部屋にベッド買って一人で寝させない?
親ばなれも子ばなれも必要だし…」
とモラ夫に提案すると、
「子ばなれってなんだー!?
おまえ、オレが子ばなれできてないっていうのかー!!」
と激怒。
そして、いかにベッドが心身に悪いか(そうなの?)、
子どもが言い出したわけでもないのに追い出すわたしはいかに残酷か、
そういうオレ流の主張をえんえん聞かされました。
もはやそのころのわたしは、親と同じ部屋で寝ることを
中学生になってもイヤと言い出さない息子を歯がゆく思うほどになってました。
「アダルトビデオなんだよあなたは」と言われる
モラハラカウンセラーのJoeさんに相談したときのこと。
事前のメールに、なにがつらいのかを書いて送ったのですが、
その中に性的DVのことを書きました。
限られた時間のカウンセリングを有効に使うために、
かなりの長文でくわしくどんな性的DVを受けているのかを書きました。
するとJoeさん、電話カウンセリングでカラッとこう言いました。
「あ~、それからアレね。セックスがつらいんでしょ?」
あまりの明るさにわたしはあっけにとられ、
「そうなんです…(涙)もうね、本当にイヤなんです…(涙)」
すると、Joeさんは声高らかに指摘します。
「あなたはね、アレなんですよ。アダルトビデオなんですよ!
イヤだイヤだいいながら、結局はセックスさせるわけなんでしょ?
そういうのがいちばん男が興奮するんですよ。
いわゆるアダルトビデオのシナリオなんですよ!」
ネットで申し込んだ会ったこともないカウンセラー男性と
セックスだアダルトビデオだって
なんちゅー言葉を連呼してるんだって話ですが、
わたしは、男側からの見解が聞けて
「なるほど…」と妙に納得してしまいました。
Joeさんはさらにアドバイスをしてきました。
「幻滅させるんですよ、男を。
しらけさせてやる気なさせるんですよ。
イヤって言ったらぜったいにさせない。
その先に不機嫌だ無視だあるのが怖いとしても、
あなたそこまでイヤがってることなんだから、
拒絶し続けて、もうぜったいダメなんだとしつける。
ペットのしつけと同じですよ。」
もうね、目からウロコが100枚ぐらい落ちました。
相談するのも恥ずかしかったけど、Joeさんに相談してよかった!
この電話カウンセリングのあと、
わたしはモラ夫とほぼ口を聞くことがなくなり
無表情でうつむきかげんで過ごし
能天気に誘ってきても具合悪いふりして「ムリ」と断り
一度も夜モラに応じることはありませんでした。
そのうちさすがにモラ夫も言いにくくなったのか
あからさまなおさわりやお誘いがなくなり、
約半年後に家を出るまで性行為なしで過ごすことができました。
夜モラに苦しむあなた。
AV女優のような、最後には許すという展開はもうやめましょう。
目の前のモラハラを怖がって押し通されるより、
長い目で見て、自分の尊厳を守るためにイヤなものは拒絶しましょう。
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