モラ夫は外ヅラがよい。
これはとても知られているモラハラ人間の特徴です。
直接関係がない話で恐縮ですが、外ヅラだけはいい人間がいるということを体感しすぎているわたしとしては、事件が起こって犯人の近所の人のインタビューで「いつもあいさつしてくれてた」などの好印象の話を聞いてもおどろきません。
モラハラ無視不機嫌発動中に、知人などと接する機会があったときなんて、すごいですよ。
モラハラ最悪期でも、子どもがいるとどうしても夫婦そろって行動しなければならないことが多々あります。
夫婦で険悪に歩いていても、知人に会ったりすると、モラ夫は満面の笑みで率先してあいさつをし、さらに洋服をほめたりとっても気さくで感じのいい人としてふるまいます。
しかし、「では!」と別れたとたん、わたしの方へ顔を向けると笑顔が消えているどころか般若のような鬼顔になっています。
くるっと後ろを向くとまったく表情が変わってるおもちゃありますよね、あんな感じ。
なにもしかけをしなくても変面ショーができそうなスキルです。
さっきまで怖い顔して威圧感出してまったく口を開いてなかったのにバツが悪い、なんて恥ずかしい感覚はないんでしょう。
ママ友から、
「ご主人にばったり会ったけど、遠くから気づいて声かけてくれたよ。ほんと感じがいいね!」
とうらやましがられるほどの人でした。
当然、わたしのきょうだいにも親にも、にこやかに話をし、手土産はかかさず、いかに妻を自由に楽しませるために自分が心を広く持って接しているか自然にアピールしていました。
かつてわたしは、「夫が不愛想で困る」と愚痴るママ友より、外ヅラだけでもよくできるだけうちはマシではないかと自分に言い聞かせていたものです。
だけど、バツグンに外ヅラのよいモラ夫ですが、愛想よくしてもトクをしない相手にはそうじゃないんですよね。
うすうす、「あれ?」と思う態度を取ることもあるなと気づいてましたが…。
モラ逃げした直後に、そのことがはっきり表れたできことがありました。
元家に住んでいたとき、とてもよくしてくれて、親しくしてもらっていた隣の奥様。
悲しいことに、3年前に亡くなってしまいました。
昔ながらの住宅街に新参者として引っ越してきたわたしに、いろいろと教えてもらった先輩主婦で、実際15歳くらい年上でした。
モラ夫も隣の家にはあいさつは欠かさないし、会ったら世間話などもする良好な関係を築いていました。
だからこそ、急に家を出ることになり、泣きながら「引っ越します」と伝えた時はおどろいてました。
お隣さんには子どもは連れて行くと言ったものの、上の子がすぐに連れ戻されてしまったので、なぜ子どもが出入りしているのだろう?と心配をかけるかもしれないと思いました。
そこで、お隣さんにメールで現状を報告しました。
上の子が連れ戻されたことと、家事をするためにモラ夫が自分の母親を呼び寄せて同居していることを。
すると、やはり子どもが家に制服で出入りしているので気になってて、すぐに子ども部屋にエアコン設置工事をしているのを見て、「もう戻さない気だな」と思ったそう。
そのときやっと、これまで見せていた我が家の仲よしファミリーの様子が張りぼてだったと理解したそうです。
「年配の女性がよく買物袋を提げて出入りしてるから、お母さんかなとは思ってた。
あれでは奥さんもう家に帰ってこれないじゃない!」
と、強い不快感をおぼえたそう。
しかも、モラ夫は回覧板を隣の家へ回さず飛ばすようになり、お母さんは出会っても目を合わさないようにして早足で通り過ぎるとか。
外ヅラよかったはずのモラ夫も、感じがよかった義母も、都合が悪い相手は無視するんだな…。
人間だれしも、いつも気分がよいわけではないし、あいさつさえ気が進まない相手っているとは思います。
ですが、計算高いのかそうでなくても瞬時に本能で判断するのか、愛想よくしたほうがトクをする相手にはそうして、メリットがない相手にはまったくの無視をできるというのが、本当にこわいことだなと思います。
逆にモラレ人間は、だれに対しても必要以上にヘラヘラヘコヘコしてしまうから、それが「自尊心は高いけど謙虚」って人とは微妙に違うことをモラハラ人間に見抜かれて目をつけられてしまうのかもしれません。
そこは少しだけモラハラ人間をマネしたほうがいいの?
わたしにはふつうの加減というものがどうもわからないです。
とりあえず「すみません」ととっさに言うのをやめ、「ありがとうございます」に言い換えることを意識しています。
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