気の毒になるほど父親に文句を言うモラ夫
多くのモラ夫がそうであるように、うちのモラ夫もマザコンです。
モラ夫から聞く生い立ちの話では、いつもお母さんを讃え、お父さんをけなすという流れになっていました。
いばりちらして家族の聞く耳をもたない独裁者のお父さんと、
忍耐のかたまりのような従順で努力家で慈悲深いお母さん。
そういう風にモラ夫は語るんだけど、年月を経て変化したのかは謎だけど、どうしても信じられない。
「不器用で口ベタだけど根底にやさしさを感じるお父さんと、立てるべきところは立てるけど意見はできるお母さん」
わたしから見るとこんな感じの義父母で、いい人だという印象しかありません。
真実はどうだったかおいといて、義父母の印象がこうだったからこそ、
モラ夫がどんなにわたしをいじめても、
年月がたてばあのようなおだやかな夫婦になれるのだと幻想をいだいてたのかもしれません。
ただ気になるのは、わたしにはどちらもいい親だと思えるのに、モラ夫は父親の悪口ばかり言うこと。
具体的には、父親の仕事の程度が低いとか頭が悪いとかバカにして、
家を建てた場所が不便ということを毎回文句を言います。
実家に行くたびに毎回、なんでこんな不便なところに家を建てたんだと義母を巻きこんでいっしょに文句を言うんです。
このとき義父はいつもシュンとして返す言葉もなくうつむいていました。
家なんてそうそう変われないのに、どうにもならないことを毎回責められる義父が気の毒でたまりませんでした。
だって、わたしの実家のほうがバスも電車も使えないような不便な場所だけど、親に文句を言うという発想はなかったから。
そんなこともあって、モラ夫が家を建てる時には便利な土地が絶対条件と言い、駅から5分以内のところに買いました。
家を建ててからモラ夫は何十回も(いや100回超えてると思う)わたしに言いました。
「うちの母は不便な場所に住んで本当にかわいそうだった。
それにひきかえキミは便利なところに住めて幸せ者だね!」
モラ夫の実家で「義母>わたし」を思い知らされる
義母は料理や裁縫や芸能ネタが好きで、そんな話ができるわたしを娘のようにかわいがってくれました。
モラ夫の実家で義母とテレビを見ながら会話をしたりすることも楽しかったんです。
あるとき、サッカー選手がまだ若いのに引退して世界中を回っているという内容のテレビを見ていました。
「まるで定年退職後の生活みたいだね。」
と、なんにも考えずにわたしが発言したことがモラ夫のセンサーに引っかかりました。
「オマエ、なんてこと言うんだ、身のほどを知れ!
オマエのほうが仕事もせず悠々自適生活じゃないか!」
「よく定年退職したオレの親の前でそんな失礼なことが言えるな!
どんだけ人の気持ちが分からないんだよ!」
義父母がいる前でモラ夫はこんなふうにわたしに怒りをぶつけてまくしたてました。
このころはまだ、しゃべる前にいったん脳内でモラセンサーにかからないか、地雷NGワードに該当しないかチェックする習慣がついてませんでした。
わたし的にはそんなつもりはないし失礼にあたるとは思わなかったけど、義両親が傷ついたのなら申しわけない。
ふつうにしゃべってるつもりでもデリカシーに欠けるところがあるのかなと、わたしが悪かったんだろうと思いました。
「すみませんでした。」
と義父母に謝ると、いやいや全然悪くないと言ってくれたけど、モラ夫はそのあと不機嫌で、何度もこの件で説教されました。
またあるときは、モラ夫とテレビを見ているとあとで義母が部屋に入ってくるということがありました。
2個あった座布団にそれぞれに座ってたんだけど、義母がきたとたんにわたしはモラ夫に突き飛ばされました。
「お母さんに座らせろ!」と。
義母はさすがにビックリしたようだったけど、モラ夫に
「いいのよいいのよ、すぐ行くから。」と笑うのみ。
座っていながら突き飛ばされたわたしは、しばし手をついてななめになった姿勢のまま屈辱を味わっていました。
さすがに母と妻の扱いの差がひどいよねと傷ついて、友だちにこのエピソードを話すと、
みんなまゆをひそめて「ムリ」と言います。
わたしはまわりにネタとして話すことで笑いに変えて昇華させ、
たいしたことではないと言い聞かせ、
自尊心を削られていくことから目をそむけていました。
でも、そうやって夫マザコンネタとして笑い飛ばしてきたつもりの数々の経験が、
今でもこうやってモラ夫に傷つけられてきた記憶としてありありと浮かんでくるのです。
自分の母よりラクをする妻を許せないモラ夫
「母は父のせいでとてつもない苦労をしてきた。
だからオレは妻にそんな苦労はさせないと誓った」
と、口では理想を語るモラ夫。
だけど、敬愛する母親よりラクな生活を送る妻を目にすると、苦労をしないですむ妻が許せない。
モラ夫の理想とする器の大きい夫にはなれない自分を、恥じるとか乗りこえるとかいうことはできないらしい。
「同じ苦労はさせたくないけど、やっぱりそれではオレが気持ちよくないから同じ苦労してくれ」
というモラハラ思考から進化できないんでしょうね…。
きわめつけは、
「水道の蛇口ひねれば水が出る生活のオマエは苦労が足りない」
です。
マジかよと思うけど、
モラ夫が小さいころは家まで水道が通ってなくて、川の水を引いていたので飲料水は遠くまで汲みに行ってたんだとか。
「母はオレに川の水を飲ませたくなくて苦労して毎日遠くまで水を汲みに行ってた。
それに比べてオマエはラクしすぎ。
水道から水が出るなんて、ありがたく思わないと。感謝が足りない!」
モラハウスから脱出したとき、
何があったのかとたずねる母に、ポツポツとモラエピソードを語ったんだけど、
さすがにこれには母もポカーンでした。
「ウッ、ウッ、ウッ…。蛇口をひねるだけで感謝しろと言われて…(泣)」
というわたしに、
え?ちょっと、意味わかんない、ってね。
友だちも、作り話じゃなくて本当の話なのか困惑してましたね。
モラ夫は結婚せずに一生母と暮らせばいい
妻に苦労をさせ、罵ってストレスのはけ口にすることで自分が気分よく生きられる変態のモラ夫。
こういう男はつくづく結婚すべきではないと思います。
わたしは自分で言うのもなんですが、関わった人には、
自分ごときでできること役立つことがあればなんでもするよ! というサービス精神を持っています。
相手が善良な人間なら、そうすることで人間関係がうまく作用してお互いに気持ちよくなれるんですが。
相手がモラハラ人間なら、思いやりやモラルが皆無なので、
搾取されるだけ搾取されて心身ボロボロにさせられます。
モラ夫は、苦労も愛情も無償で注いでくれる大好きなお母さんと一生暮らしていくのがいちばん幸せなんじゃないの?
いっちょ前に結婚して家庭を築こうなんて思いつかないでほしいですね。
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