「今日ダンナとケンカしちゃってね・・・。」
他愛ない友人とのおしゃべりで、そんな言葉を聞くことがよくあった。
ケンカするほど仲がいいとは思っていなかった。
仲よくてもケンカはするだろうけど、ケンカが多いのはやっぱり仲が悪いんじゃないかと思っていたから。
わたしはモラ夫とケンカした記憶がない。
ケンカというのは、お互いが対等に言い合ったりできてこそ成り立つんだとモラ夫と出会ってから知った。
細かいことで怒られたり無視されたりするようになったわたしは、よく泣きながらモラ夫にあやまっていた。
明らかにわたしが悪いときももちろんあったかもしれないけど、
結婚して早いうちから、
ちょっとしたわたしの言い方だったり、やり方だったりが悪いと怒られるようになったので、
ぜんぜん納得できないけど、怖いからその場をしずめたくてあやまった。
たとえば、モラ夫が友人にギフトを選ぶ相談をされて、
「食べ物だと必ず食べるし残らないからいいんじゃない?」
とでも言おうもんなら、
「残らないから? 残るモノを贈りたいオレの気持ちはどうなる?
必ず食べるって・・・下品だな!」
みたいに、モラモラ文句言う。
じゃあ相談すんなよって思うけど、とにかくモラ夫の鬼の形相が怖いし落ち着いてほしいから
「ごめんなさい・・・。」
ってなる。
モラ夫の機嫌がいいときは、
「ごめんごめん、合理的な考えも悪くないけどギフトって心だからね! ハイ仲直り!」
モラ夫が無視を引きずったまま親せきや友人がからむイベントの日が近づくこともあって、
そんな雰囲気じゃないのにどうしよう……と思っていると、
突然、
「明日何時に出発しようか?」
などと「許され」て機嫌がなおったりしたけど、
それって「仲直り」じゃないよね?
そんな感じで、「ケンカ」しては「仲直り」するということが初期は多かったように思う。
振りかえると、あれはモラハラ調教だったんだなと分かる。
いつのまにか機嫌をそこねていたのは私にさせられていた
わたしとモラ夫が仲よくしていないとモラ夫に都合が悪いシチュエーションもあった。
たとえば結婚してしばらくは、
モラ夫が職場の人と家族いっしょに食事をする約束などをよく入れてきた。
モラ夫はタイミングを選ぶことなく不機嫌や無視をはじめるから、
約束の日が近いときにそのモードに入ることもある。
それでも、家族同伴イベントの前日や、ひどければ当日になって急に笑顔で
「機嫌なおして! 仲直りしよう。
ほら、出かけようよ、きっとおいしいお店だよ。」
などと言ってくる。
・・・なぜか、機嫌そこねて黙っていたかたくななわたしを、
モラ夫が仲直りしようとゆずってやっている構図ができあがっている。
いやちがうでしょって言いたいことは山ほどあるけれど、
モラ夫が無視を止めたことにわたしはホッとするのみ。
そして急に気持ちを切り替えられずにぎこちないわたしを、
モラ夫は嬉々として友人に説明する。
「実はきのうちょっとしたことでケンカしちゃって。でもすぐ仲直りしたんだよねっ。」
「それはそれは。なんでも楽しい時期だよね~。」
わたしは、
「ちがう、ちがう、ケンカじゃないし、楽しくないし!」
と心の中で叫びながら笑顔をつくっていた。
モラハウスから脱出したときも仲直りしようと言ったモラ夫
自分が妻に被害を被ったと思いこみ、
一方的に妻にオマエが悪いと攻撃し、
そのつもりじゃなかったとしても怒らせるオマエが悪いと責め立てるモラハラ行為。
どうやら、いや、まちがいなく、モラ夫の脳内ではそれが「夫婦ゲンカ」と認識されているらしい。
なんて自分に都合よく考えられる思考なんだ!
なんとクレイジーモラ夫は、わたしが永遠の別れを告げた脱出のあとにも、
「仲直りしましょう」
とLINEを送ってきた。
「人生寄り道大いにけっこう。雨降って地固まる。話し合えば分かる。」
という、なぞの上から目線のメッセージも来た。
狂ってる……!!
しかも、子どもをダシにして、早く仲直りをしないと子どもによくない影響があるぞとおどしてきた。
一切の連絡をシャットアウトして
弁護士という代理人を入れて内容証明を出して逃げられたのに
この期に及んで、
「今度の妻の抵抗は激しいな。派手なケンカになってしまって面倒だ。」
くらいに思っていたんだろう。
ケンカじゃないし。
マジで、この事態で、仲直りしようなんて言えるヤツ、モラハラ星人以外にいるの?
コメント
父親がそんな感じでした。
わたしの子供の頃の夢は「父親とケンカすること」
つまり人として普通に話せる関係ってことですが、
学校の作文には書けませんね。
フクロウさん、ケンカって力関係に差があるとできませんよね。
実の親がそんな感じだと夫婦間より逃げ場がなくてつらいです。
人生は短いのだから、信頼関係を築ける人だけを選んでつきあっていきましょう!
ありがとうございます!
本当に、その通りですね^^