大切にしてるものを自ら手放すようしむけるモラハラ人間

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Everaldo A. de Brito Everaldo BritoによるPixabayからの画像

「モラハラとは」と調べると、おおよそ「身体的な暴力ではなく、言葉や態度で精神的にDVをすること」と説明がならびます。

モラハラをひとことで説明するのはむずかしいので、まあそういう説明になるよね、と否定はしません。

そして、夫婦関係に悩んでいて、夫の心理的ないやがらせに傷ついている人が「これはモラハラではないか?」とすがるように相談しているケースもあります。

結論からいえば、モラハラかどうか判別をすることにたいした意味はありません。

離婚調停でモラハラが理由ということですんなり有利に運ぶわけでもないし、モラハラの慰謝料なんてほぼもらえないでしょう。

たぶん、夫からモラハラを受けているんじゃないかと気づいて、それでこれまでの苦しい気持ちの正体が腑に落ちた感覚をおぼえた人は、モラハラを受けているのだと思いますよ。

モラハラの特徴に、「マインドコントロールをして行動や生活を支配する」というのがあります。

そのマインドコントロールの方法としては、罪悪感をいだかせて自らモラハラ加害者の望むような行動をするようしむける、というのがあります。

自分じゃない人間がイキイキと楽しんでいるのが気に入らないので制裁するというサディスティックな性質もあるんでしょう。

病気だったり子どもが小さかったりして働けない、生活費を夫にゆだねている妻はそのターゲットとしてねらいやすいわけです。

もちろん、夫婦間以外でもモラハラはありますが、より閉鎖された空間、密接な関係でないとフリーな時間にモラハラターゲットが知恵をつけて対処されたり、距離をおかれてしまったりするのでモラハラ支配関係がうまく持続しません。

「バカと思われるから、大きな声でしゃべらないほうがいいよ」

たとえば、わたしがモラ夫とつき合ってしばらくしてから言われたことばです。

つき合い始めは、なんでも楽しそうに明るくしゃべるところが素敵だね、って言ってくれたのに、なにかのタイミングでそこを否定して禁止してきました。

人の忠告はビビって聞きがちな性格で、まして恋は盲目という時期でもあったので、素直に聞き入れておとなしく…いや、暗い女になっていきました。

それからも、大好きだったドラマ鑑賞も

「こういう低俗なドラマを見るから女はバカになるんだ」

と言われて、あからさまなタイトルや内容のドラマを見ることは自粛し、録画もできなくなり、それでもいつ文句を言われるかわからないからテレビ自体を観れなくなりました。

正確には、テレビは観れるけど「決して選んだ番組ではなくて、テレビをつけたらやっている番組そのままです」という体で。

チャンネル権はモラ夫にどーぞどーぞして、選局してくれた番組がわたしも見たいモノだったらラッキーという具合です。

音楽ジャンルはロックが好きでしたが、案の定ロックは下品と冷たく罵られるので、まったく聴かなくなり、当時持っていたCDは全部処分しました。

そうやって、モラ夫はわたしの好きなもの、大切なものを少しずつ奪っていきました。

奪っていくというより、少しだけ不機嫌になったりバカにしたり他のものを強引にすすめたりして、自主的に手放すようにしむけられました。

同時に、金銭面では生活費をわたさないなどの経済的DV、時間的にも雑用をおしつけたり忙しくさせられました。

その結果、趣味嗜好、友人つきあいなど、かつて好きだったものやだいじに持っていたものは「別にいいや」と自分で納得してやめたかのように消えてしまっていました。

なんにも楽しいことないし、楽しむことを許されない。

そんな生活を送っていたような気がします。

そのことを訴えたとして、モラ夫は言うでしょう。

「オレはやめろとは言ってない」

そう、直接手を下さない完全犯罪なのです。

モラハラから脱出してから、やりたいことや好きなものへの意欲が少しずつ高まっていったのをよくおぼえています。

気になったことを自分の意思でやってみることができる。

そんな当たり前の権利ですら幸せだと思えるほど、モラハラ生活は過酷だったのです。

モラハラにおける「精神的ないやがらせ」というのには、このように「相手が大切にしてるものを自ら手放すようしむける」パターンがよくあります。

それがひとりの人間の人生においていかに大きなダメージなのか、想像してみてください。

コメント

  1. リツ より:

    「モラハラとは」と検索したら大抵がそんな説明ですよね。でも夫婦に関してだけで言うと、その一言だけで表現できませんよね。細かく言うとホント千差万別です。
    私はルカさんと程度の違いはあれど、チャンネル権はほぼなし。「見たいんだったらどうぞ」と渡された時はもう就寝前だったり、見たい番組は終わっていたり。「気は使ってるぞ」的な優しさアピール見え見え。

    友人との制限、経済的な制限(DV)で失いかけました。けれど、結局モラ夫は、自分から何もかも「切って」るんですよね。妻である私も、子供たちも、モラ夫の友人も、自ら失ってるのに気が付いてない。
    で、調停で決着せず裁判へ。私に仕送りをしたくないから裁判までして離婚をせまってるけど、お金は弁護士にも流れて失ってる・・・。
    脱出した後の「やってみたい意欲」、その気持ちの爽快さはよくわかります!モラ夫にお伺いを立てるあの気持ち、とてもイヤでした。

    • ルカ より:

      リツさん、
      本当にそうですよね。
      モラ夫は自分から切ってることに気づいてないです。
      いや、「切った」みたいに言いますけど、去られて行ってるのを認めたくないんですよね。
      リツさん、裁判はどうなりましたか?
      弁護士さんは期待通りの働きをしてくれてるでしょうか。
      はやくスッキリ不安のない生活を送れるようになるといいですね。
      そしたらやりたいことが浮かびすぎて生きてる実感わきますよ!

      • リツ より:

        私のモラ夫は孤独。周りに人が居なくなりました。私はそんな人生を送りたくないですね。
        裁判は始まったばかり。弁護士と二人三脚で頑張ってますよ。相当長引きそうですが、明るい未来の為に最後までやります!

        • ルカ より:

          リツさん、
          裁判は長引きそうだけど頑張れそうなんですね。
          きっとよい未来が待っています。
          応援していますよ!

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