わたしは結婚してから8年間専業主婦でしたが、モラ夫が生活費を減らしていったことでパートを始めることになりました。
子どもたちの成長にあわせて働く職場や働く時間を変えたりして、だんだん増やしていきました。
子どもたちが小学校低学年のころは13時までのシフトで働いていましたが、曜日固定シフトだったので祝日は休みではありませんでした。
また、ぜったいに休めない会社だったので、休みをとったり早退したりすると、他の日に出勤して補填しないといけませんでした。
基本的には子どもたちの下校する時間には家にいるようにして、土日は休みで働いていましたが、用事があって休まないといけなかったときは祝日や土曜日に振替出勤していました。
ある土曜日も、授業参観で休んだかわりに13時まで仕事が入っていました。
土日に泊まりで実家に行きがちなモラ夫が、その週も実家に行こうかと数日前に突然言いだしました。
早めに計画された実家行きならシフトを調整して必ず同行しますが、そのときはあまりにも急でした。
土曜日に13時まで仕事があることをモラ夫に告げると、それから実家に移動するのでは遅くなってしまうから、今回は子どもたちだけ連れて行くということになりました。
まだ子どもが10歳未満のころなので、わたしなしでお泊まりということはほとんどありません。
実家にいくのは嫌いじゃないけど、パートをはじめてからは週末にやりたい家事がたくさんあるので、毎週外出することは苦痛でした。
なので、土曜の午前中だけ仕事で日曜もずっと一人だなんて、ふってわいたようなフリータイム!
夜ごはんもつくらなくていいし、ゆっくり録画のドラマでも見て過ごして、翌日は大物洗濯や布団干しにそうじなど思いっきりできるな~と喜んでいました。
さらに、おひとりさま週末が明日にせまった日、
「土曜日主人が行けなくなって。野球のチケット1枚あまるけど行ける?」
と友だちから誘われたのです。
日にちがせまってるのでダメならすぐ次に声かけないといけないけど、わたしが野球好きなことを知ってていちばんに声をかけてくれたのです。
もちろん、わたしはふたつ返事で「行く!」と言いました。
なんてよいタイミング…!
ひとりの夜も楽しみだったけど、友だちと野球観戦してちょっと飲んで帰って…サイコーだわ。
そんなことを想像してワクワクしました。
かくしごとが苦手なモラレ妻ですから、
「モラ夫に報告したほうがいいかな?」
と思いつつも、でも別に言わなくてもいいかと思ってしまいました。
だってモラ夫は仕事帰りに飲みに行ったりとかしても妻に報告などしません。
言われないと残業だかどこかに寄ってきて遅くなったのかなんてわかりません。
だから、だれもいない家に帰るのが遅くなっても問題ないし、言う必要もないだろうと…。
でも万が一、野球観戦中に電話をかけてきたりとかしたらまずいかも?
別に悪いことをしてるわけではないのに、「聞いてない」とか言って怒るのがモラですから。
でも、もし電話がかからなかったら、言わなきゃわからない野球観戦をわざわざ報告したことで
「仕事より野球ありきで実家に行かないんじゃないのか?」
と勝手に誤解して怒るかもしれない…。
言うべきか、言わないべきか、悩みに悩んで、言わない選択をしました。
しかし、いつもいつも考え抜いた選択がNGになってしまっていたモラ夫との結婚生活…。
この選択も失敗になってしまったのです。
土曜日の朝、仕事に出かけるわたしに、まだパジャマで行ってらっしゃいをしてくれた子どもたちとモラ夫。
「おじいちゃんおばあちゃんによろしくね!」
と言ってわたしは出勤しました。
そして13時に仕事を終えてロッカーからケイタイを出すとメールが入っています。
それは、モラメール。
「支度が遅れたのでママもいっしょに行こうということになったので、急いで帰ってきて。」
え…。
わたしは青くなってすぐにモラ夫に電話しました。
そして、急に野球のチケットがあまってるからと誘われてOKしてしまったということを報告。
わたしがOKしたことで、他の人に声をかけなかったからチケットがムダになってしまうのでドタキャンはできないと言いました。
すると案の定、電話の声だけでモラ夫がめちゃくちゃ不機嫌になったことがわかりました。
ものすごいムッとしてたけど、「しかたないね」と言ってくれたのでホッとして電話を切りました。
最初から仕事終わるまで待つと言われてたら野球もOKしなかったのにと、気が重くなりながら家に帰ると、車がまだあるじゃないか!
はーーーーー。
なんでまだいるの?
もう14時だよ?
わたし実家には行けないよ?
どんよりしながらドアを開けて家に入ると、子どもたちは「おかえり~」とはねながら寄ってきましたがモラ夫はいません。
リビングに入るとモラ夫はいましたが、ごめんねと謝るわたしに反応もせず子どもたちを連れて車で実家に出発しました。
無視してすぐに出るなら、わたしが帰るのを待たずに13時の時点で出発してたらいいのに。
と反論したとしても、せめて子どもたちをママに会わせてからと思ったとかなんとか、わたしが悪いということになるシナリオは見えてます。
子どもといっしょに実家に行くより、友だちと野球に行くことを優先するヤツ。
実家にいけないことが残念だと言いながら、だまって野球に行って楽しもうとしてるヤツ。
さびしいママにサプライズをと思って待っていた子どもたちの心をふみにじったヤツ。
モラ夫の記憶にはこのように刻まれてしまったのです。
そのあと野球観戦の最中も、このことがずっと心に暗く影を落として楽しめませんでした。
そしてのちのち、
「仕事って嘘ついて子どもより野球行くの選んでいっしょに実家に行かなかったよね」
と語り草にされたのでした。
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